オモイデ狂いの季節

自分用の観劇・鑑賞などの備忘録。気が向いたときに。ストリップのことが多め。

この世にあってほしいもの

後にも先にもわたしの「一番」だった女の子が、ストリップを引退してから半年が経った。

 

omoide-inmy-chaos.hatenablog.com

ストリップのことはもちろん大好きで、あれからも劇場には行ってるけど、頻度は月1~2回程度に激減してしまった。良さそうな香盤だから観たいなと思う週があっても、早く起きれなかったから仕方ないかとか、仕事で間に合いそうにないからなとか、なんだかんだ自分の中で言い訳みたいに並べる行かない理由のほうが勝ってしまって、前よりも確実に劇場から足は遠のいていた。それでも行くたびに、行ってよかったと思えるのは本当なんだけど…。
好きだ・素敵だと思う踊り子さんはぱっと名前が浮かぶだけでも両手じゃ足りないくらい居るし、ス客6年目の今、熱心めな客からうす~い感じの客になったとて、劇場に行けば新しいよろこびや気づきはまだあるのだ。

それでもなんだかどうやったってどこかに穴が開いたみたいだった。

そこそこ長く生きてきて、好きなバンドやアイドルの活休解散脱退果てには御逝去まで経験してる、喪失感の甘やかし方もなんとなく身についてる、それなのにこれは初めてで戸惑うんだけどこれってどうしたらいいんですか? なあおい。
とはいえ私の「好き」の依存先はいくつにも分散しているので全く違う他の場所で楽しくやっていることもありそれなりに愉快に暮らしてはいる。でもふとした瞬間に、あ~~~穴が開いてるな~と思うのよ。これってこのままなんだろうな~~って。その穴すら愛していくつもりでいるからまあいいっちゃいいのですが…。ところで依存先を分散させておくのが自立ってことだと見かけたことがあるけどそうなの? じゃあ依存先をいくつも持ってる私はもう自立してるってこと? 子供部屋おばさんなのに? それともそういうことではない? そう…

先日、信頼と安心の親友と久しぶりに連れ立って、これもまた久しぶりの池袋のミカド劇場に行った。春野いちじくちゃんの周年週で、イベント日だった。香盤が豪華だしなによりいちじくちゃんをお祝いしたい人たちが多くて、本当にめちゃくちゃに人が多く…。混雑具合があまりにもだったので気力がもたなくて仕方なく劇場を出たり入ったりしながらなんとか。私たちは放っておけば永遠に喋って笑い転げていられる二人だから喫茶店のケーキで時間を潰すのは容易いけど、外に一歩でるたびに大雨で靴や服が否応なくびしょ濡れるのにも辟易。減っていく体力。
それでもイベントには間に合うように機を見て戻ったら、出入り口まで人がパンパンになりすぎていて、扉すら開けられなかった。困っていたら、従業員さんが親切に、こっちから入っていいよと従業員通用口を開けてくれて、やっとで場内に入ることができた。
初めてくぐった通用口の先はトイレの前を通過してちょうどミカドの下手側壁際に出るようになっていて、急にひらけた視界に一番にまっすぐに飛び込んできたのは、ステージの上でライトを浴びた六花ましろさんの肢体だった。

ましろさんはちょうどポーズをきっているところ。場内の熱気と湿気で淀んだ空気の中、天井に向けてまっすぐに伸びるましろさんの足や、背中にうっすら浮かぶ汗や、どこを見ているかわからない涼やかで不思議な眼差しを見ていたら、よくわからないけど、今わたしはこの世でいちばん美しいものを見てる!ってなって、これもまたよくわからない涙が出そうになった。が、耐えた。横にいる友達はもう泣いてた。

私はストリップを芸術とは思っていなくて(芸術的だと思うことはある)エンタメであり風俗だと捉えて楽しんでいるけど、ストリップ劇場にいると「今わたしはこの世で一番美しいものをみてる!」って気分になる瞬間、結構あるな。ここでいう美しいっていうのは一般的にいう「美」だけじゃなくて………まあとにかく、ある。画一的じゃない美しさ。だから私はまた劇場に足を運ぶんだろうな~と思う。今はとりあえず4月中の渋谷はひたすらに楽しみ。


ストリップを引退したしゅんちゃんことShun the Bluefilm嬢のバーレスクデビューを観てきた。いいね、いい名前。
開いた穴が云々とかごちゃごちゃ言ったけど、しゅんちゃんと会う機会が失われたわけでは勿論なく、現に引退してからの数か月の間にも機会を作ってくれてて、顔見れてるし喋ってるし髪めちゃ短くなって世界一かわいいし笑うと目がきゅうってなるの世界一かわいいしそういうの見れてて全然贅沢なほうです。でも、踊っている姿をみれたのは引退日以来でした。
結果すごいよかった。やっぱ最高。黒いヴェールで顔を隠して椅子に伏せたところからちょっとダウナーに始まって、内包した熱がじわじわ上がってくる感じ、挑発されてるみたいでめちゃくちゃ気持ちいい。すっかりきもちよくなってたら、最後の一曲で急に泣きそうになってしまった。ずるい。紛れもなく私が「この世にあって欲しいもの」と思うものだったし、私がずっと欲しかった視界だった。多分、自分で思ってたよりずっと。
過去に一度観に行った別のバーレスクショーは、舞台は大きくて衣装こそ華やかで女の子たちはとても綺麗で可愛かったものの、私にとっては本当にそれだけだな、という感想だったのでそれきりになってたんだけど、この日みせてもらったバーレスクショーはおひとりおひとりどの方も素晴らしく、めちゃくちゃゴージャスな大人のエンタメで、私がバーレスクに求めてたのはこれだったんだ!って嬉しくなったし、とっても元気がでた。AFTER PARTY TOKYO、また行く…。歌舞伎町の雑居ビルにいきなり秘密の隠れ家みたいにあんな空間が一室だけあるのも、なんかいいな。


近々子供部屋おばさんを脱する予定。
話自体は去年からあったんだけど、友達が誘ってくれて一緒に住み始める予定で、いつ頃に物件決めていつ頃に引っ越しをするかという具体的な話をした。色んなことを知っていて、思慮深く、趣味きっかけで知り合った割には趣味が合うかというと基本的にはそこまででもなく、でも肝心なバイブスは合う、あと味覚も合う、いつも不思議な身軽さがある友達のことを私はとても好きなので、なるべく長く楽しく色々ほどよい感じで暮らしていけたらいいなあ と思っている。
これだけは先に言っておくけど私が作るポテトサラダには絶対キュウリ入れないからね!と言ったら、私が作るポテトサラダには普通にキュウリ入れるけどじゃあ食べないの?って言われて、それはありがたく食べる、と即答した。平和。なので最近は物件情報ばかり見ています。古くてもいいけどひとり一部屋のほかに、一緒にごはん食べられるくらいの共同スペースは欲しいな。あと小さい一輪挿し買って、花も置きたい。新しいことが始まるのはわくわくする。