オモイデ狂いの季節

自分用の観劇・鑑賞などの備忘録。気が向いたときに。ストリップのことが多め。

俳優・加藤シゲアキの舞台に感嘆した非ジャニオタがNEWSというアイドルに邂逅した話

私自身は現在、ジャニーズ事務所に所属されているタレントの方々に対して特別な興味を持つことはない、所謂「非ジャニオタ」の人間なのだけれど、日頃から死ぬほどバイブスの合うエンタメ狂いの友達に激推しされ、加藤シゲアキ主演の舞台「モダンボーイズ」の観劇に同行し、その脚本や演技に感銘を受けすぎたあまり、暑苦しく長文感想語りしたことがある。

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(自分用の備忘録のつもりだったのに当時は想定したより沢山のシゲ担さん方の目に触れてしまい、もしや失礼があったのでは?と怯えたけど好意的な目で見て頂いたようで、見知らぬ方から優しいリプライなども頂き、その節は有難かったです)

余談だけどモダンボーイズはあまりにも最高すぎて、この後ひとりでもう一回おかわりして観に行きました。花の都に彗星の如く現れた東洋一のモダンボーイである浅草エフリィ様の御姿が映像化されないのを思うと、悔しくて今も気が狂いそうになる…。

 

前述の、NEWSを「信仰」レベルで愛している熱心な友達と、大好きな漫画ゴールデンカムイ連載完結で北海道熱が盛り上がり、以前から行きたいねと話していた北海道旅行の日程を本格的に相談したところ「実は8月にNEWSのツアー初日があって、旅行がてら一緒にいかない(笑)?」的な答えが返ってきた。
これはただの冗談でカッコワライでノリですを装ってたけど、彼女との付き合いも長くなってきたからなんとなくわかる、いやカッコワライじゃないだろ、3割くらい本気で「あわよくば」だな…やってんな………と察知し、そこは私もノリと勢いで生きてる女なので、観光の日も設けてくれるなら旅行がてら一緒に行く旨を提案し返した。そう返ってくると思わなかったらしい彼女は喜んで、こうして私の初・ジャニーズのアリーナ公演体験が決まった。
あらゆるジャンルを通ってきたオタク人生も20年を過ぎて長くなると、思いもしていなかった新しいものに驚かされる経験はもうそんなに多くはないながらも偶にあって、それはいつだって嬉しいから、やっぱり期待してしまう。まして好きなひとが好きなものなら尚更。彼女は、私の大好きなNEWSを一度でいいから生で観てみてほしいとずっと言ってくれてたし、一度応えてみたかった。私は彼女に激甘なので…
舞台「モダンボーイズ」での役者・加藤シゲアキに感銘を受けて長文語りした際、「次はアイドルの加藤シゲアキさんにもお会いしたいです。」とかいう“カマし”で結んでから約1年半、思ったより早くにそれが叶ってしまった。
それにしても、ツアー初日しかもハイシーズン8月の北海道ってよほど熱心なオタクじゃないと行かない公演だろうに、初見が遠征で入るのなんかウケるな。しかも「音楽」という強気極まりないタイトルを引っ提げてのツアー。「音楽」て。すご。

 

周りの友達や家族との雑談の中で、北海道旅行がてらNEWSのライブに行く旨を話すと、往々にして「ジャニーズ好きだったっけ…?」と訝しげにされた。いえ、特には…。そして次に決まって「NEWSって今人数少なくない? ライブやれてるの? 大丈夫なの?」的な反応がくることが多い。(余談だが何某かのオタクをしている人だと決してこれを言わないことに感心した)
私は友人からNEWSに関するサブリミナル英才教育を受けてるからわからなかったけど、一般的なお茶の間の認識ってリアルにそんなものなのかもしれない。
結論から言うと、その認識間違ってるから!!!!!!!!と大声で否定したくなるような、「音楽」のタイトルに恥じない凄いライブで、他では中々味わえないエンターテイメントだった。

 

NEWSが3人になった当初、4人のライブ観て欲しかったのに叶わなくなっちゃった、と件の友人が零していたことがあって、私は私で、円盤で見せてもらったNEVERLANDやEPCOTIAのライブ映像がとても良かったのもあり、その時点では、4人のライブ観てみたかったなあ、と残念に思った。
でも今は3人のNEWSが初めて観る生のステージで、よかったと思う。音楽前音楽後くらいで彼らの解像度が違う。それこそ「また別れを知って それでも明日へ 理想を掲げ傷ついていく」彼らが立ち上がって、その道程を彩ってくれているような楽曲を歌う姿が美しくて、美しいのに泥臭くも見えて、心を打たれた。
彼らが3人であることに意味を持たせフルに活かした演出も沢山盛り込まれていたし、3人になってから生まれた曲のキーも、それぞれにとても合っている気がする。突き抜けるようなハイトーンボイスが美しかった手越さんのいない今、増田さん一強で歌ウマみたいなイメージがあるし彼は実際に高低両用で声も表情豊かでとんでもなく歌上手かったけど、私は他2人の歌唱もかなり好き。小山さんの甘~い低音と、何より、加藤シゲアキのちょっと特徴的な響きの高音を、全部絞り出すように歌うときの声、あれ性癖すぎるし胸に刺さりすぎるから、歌割りしてる方とは大変趣味が合う…
NEWSくんはネタバレを嫌うから…と事前に教えられていた通り、序盤MCで小山さんからの緘口令が優しい口調ながらもしっかりと敷かれて、これ知ってる! 予習済のやつ! ってテンションが上がった。なのでセトリや演出については詳細を書かないほうがいいんだなと思いネタバレしないように気を付けるけど、何ぶん門外漢が好き勝手に感想を書き殴ってるだけなので、問題があったり不快にさせる部分があったらそれはすみません…

 

まず登場の演出からして凄かった。全くみたことのない系統の仕掛けかと言われたらそれは否なんだけど、とにかく登場から一曲目にかけてだけの短い時間で、会場全体を一気に引き込んで、いきなりピークへの持っていき方が段違いで凄くて凄い。純粋な高揚感でちょっと涙まで出てくる。
ツアーの表題アルバムの流れがある種のストーリー仕立てになってるから(当然のようにインタールード全部手掛ける加藤シゲアキ先生流石です)大まかな流れはそれに沿って、他の曲が途中で差し込まれてく感じになると思う、という、順当であろう友達の予想は事前に聞いていたけど、その差し込み方の妙。緩急うめ~!になった。

あと、大きい会場の公演では近年割と多くみられるけど、スクリーンに常に歌詞を出してくれるのってめちゃくちゃ有り難かったなあ。エモ曲が多いから歌詞も見たいので…
歌詞、邪魔にはならないながらも意識を向ければちゃんと見えやすい絶妙な存在感で大体ステージ両脇のスクリーンに表示されてたのに、曲の歌詞によっては、リリックビデオか?と思うほど、なんかオシャレ素材に加工されてメインステージに出張ってくる場面も多かったので、製作側の、ここ! 見て~! みんな~! ここのフレーズは絶対見て~! という強い意志を感じた。製作側、NEWSにエモを託すの大好きなんだな…わかる…

 

加えて私が驚いたのは彼ら自身のアイドル度の高さだった。元々、地上の女の子アイドルをかなり熱心に好きだった時期もあるし、地下の現場に通っていた時期もあって、それなりに色々見てきたつもりでいた。でも齢30代も後半に差し掛かる彼らが大きなステージでアイドル仕草をするときの破壊力ときたらもう…ジャニーズ事務所で20年以上生え抜きでアイドルやってる方々ってこんなにも? こんなにもなんですか!? と大声でてしまうくらい、アイドル曲では息をするように自然に、めちゃくちゃにキラキラの「アイドル」していた…某曲可愛すぎて卒倒しそう。
なんかもう、やってることがジャニーズのアイドルって域じゃないよな…と良い意味で思うところが、これまでライブ円盤見せてもらっている中でも多々あったけど、実際みて認識がちょっと変わった。アイドルの域じゃない、とこちら側に思わせつつ、自分たちがジャニーズのアイドルだからこそやれることを熟知し尽くしてる、本物のプロの仕事を見た気がする。彼らを愛している製作陣込みで。

「音楽」という強気なタイトルを掲げて、アイドルの域じゃないことをしながらめちゃくちゃにアイドルもしてくれる、こんな最高があるのか。あった。

 

メインステージ、花道、センターステージ、外周トロッコ、を良いバランスで使い分けて、どの座席の位置からでも皆一度はちゃんと肉眼で顔が見えるような構成にしてるのすごくいい。トロッコに乗ってぐるっと回ってくところで腰抜かしたんだけど、小山慶一郎さんのファンサ、あれ何? 小山さんって全員の彼氏…?
増田さんと加藤シゲアキももちろんファンサはしてくれてる。顔を向けたエリア一帯に笑顔でお手振りしたりする仕草は可愛くかっこよく気安くてとってもアイドルだ。でも小山さんはちょっと違う、全力のアイドル仕草でありながら、たぶん誰のファンであろうと関係なく、目の前の全員のことを遠距離で久々に会った恋人かってくらい会えて嬉しい顔で愛情を注ぐ。

個別で投げちゅーの嵐も指でバンバン狙い撃ちも当たり前、極めつけに弓を思いっきり引いて撃ち込む仕草までしてて、どうなってんの?って慄いた。アリーナ規模なのに距離感を全然感じさせないのすごいな。ファンサの鬼。あと足が長すぎて股下59メートルありますか?
そういうのやMCの回しの上手さ以外にも小山さんに関してはすごく感心したことがあって。ある曲の中で客席が自発的にグッズのカスタネットを鳴らし始めたんだけど、きっと曲によっては意図してた演出とイメージが違ったり、その音が邪魔で歌いにくかったりもするんだろう、増田さんが少し表情を顰めたらしく、それをすぐに察して、にこにこしながら大きく手を振る動作を客席にやって見せたところ。ひとの表情や空気の機微になんて敏感で優しい人なのか…。それでいて客席側の誰も傷つけていないところ、さすがだ。(すぐに意図を汲み取って切り替えたファンの人たちのマナーの良さもすごい。ステージへの集中力もとても高くて、本当に良い現場だなと思った)
そんな小山さんのソロは、毎回ギャルのランウェイ率が高いと友人から入れ知恵されていて、何言ってんだこいつと思ってたのに、実際みたら確かにここはTGCかな?と思うくらいにギャルみあった、あったけど、前述のパーフェクトファンサ仕草や垣間見える繊細な気遣い上手の面も相俟って、いや、歌舞伎町の1億6千万円プレイヤー…? の気持ちになった。年間売上1億円超指名本数万年上位。本日のラスソン。新宿を爆走する小山慶一郎アドトラックの幻影を札幌で見てしまった(?)

 

増田さんのこと、まっすーじゃなくて増田さんって自然に呼んでしまうのは、もう完全に同行の増田担の友人の影響だろうな。増田さんは、幼児みたいにいとけなく見える瞬間もあるし、雄みあふれる色っぽい大人の男性にみえる瞬間もある、曲やダンスや演出によって全く違う生き物にみえる、不思議な存在だなと思った。違う人に見える、ってレベルではなくて、違う生き物って言い方のほうがしっくりくるかもしれない。
前述したカスタネットの音が歌唱を邪魔することに対して、ステージの上なのについちょっと嫌な顔をしてしまっていたのも、すごく「生」っぽくていいなと私は思った。増田担の友人が、増田さんがいかに高潔で美しいアイドルかについて熱く語るのをよく聞きつつ、日頃のテレビのバラエティでポンコツいじりされてるところを見かける時とかにうっすら感じていたことなんだけど、本当に、歌うこと・表現することにとことん全振りの人なんだろうな。あのときに瞬時に汲み取って角が立たないやり方をとった小山さんも、そういう増田さんのことをよく理解してるからの行動なんだろうし。チームワーク…
本当に何度も言うけど、増田さん、歌、うんめ~~~~~~
これは既にNEWSを好きな人からしたら、空は青いとか鳥が飛ぶとかと同じくらい当たり前の事象なんだろうけど、生で聴いたの初めてだから何度も言ってしまうの許してほしい…。増田さんは、歌が、上手い。

 

加藤シゲアキさんのことを本当は小山さんみたいに可愛く「シゲちゃん♡」って呼べたらいいのに、ついフルネームで呼んでしまってる辺りからもうお察しなんだけど、加藤シゲアキやばい。加藤シゲアキさんほど自分のブランディングが上手くて自己プロデュース能力に長けている人って、もしかして類稀なんじゃないですか…
たとえばダンスひとつ取ってもそうで、増田さんはいかにも強そうな体幹でキレキレに踊るし、スタイルおばけの小山さんの長い手足やすらっとした体躯はめちゃくちゃステージ映えする武器だ。加藤シゲアキさんはなんか…なんていうか抜き方みたいなのがマジで抜群に上手い!と強く感じた。

振り付けの「止め」の部分、ふっと力を抜くタイミング、視線ひとつの配り方、大写しでカメラに抜かれることまで全部計算済みかのような絶妙な表情の作り方、何? 全瞬間を制している? 全瞬間目を離したくないのですが…
あと本当にすみませんあれだけネタバレすなとあれだけ(やんわりとではあるが)言われたのだからネタバレなしで感動を書くのが美しい形だろうと思ってたのに、やっぱりこれだけは言及したくて死にそうなので加藤シゲアキさんのこの点にだけどうしても触れさせて欲しくてここから該当部分の数行を伏字にするのですが(白色の文字で記すのでネタバレ大丈夫な方だけ反転させるとかコピペするとかで読んでくださいそこまでする人いないと思うけど)

いやソロ「Agitato」殺しに来てる?
曲だけ聴いたとき「え、なんかよくわかんないかも」とか言ってごめんなさい泣泣泣になった。一瞬で平伏した。そりゃわかるわけなくて当然だったんだよな我々は民衆でシゲちゃんは気高く美しい茨の国の孤高の王様なんだから…(???)
軍服?ってより式典服?みたいな黒い上下に銀の有刺鉄線?の冠、玉座に腰かけて、アップで顔抜かれた瞬間に唇の片端だけ上げて不敵に笑うのずるいずるすぎる最高。ここで本当に、いばらのおうさまじゃん!!!!って小声のクソデカボイスで叫ぶ狂人になっちゃった。さようなら。
一度観ただけだから記憶違いのとこもあるかもしれないしいやわかんない本当に何もわかんないまんまなんだけど私が思うより加藤シゲアキが危険ということだけはわかった。
あと登場からずっと前髪おろしてたのにこの曲くるちょっと前に衣装チェンジと共に前髪上げてスタイリング変えてきてんのこの布石でもあったんかいと気づいてスゴ……になった。才色兼備にして自己プロデュースの鬼な加藤シゲアキ、最高にして上質すぎる男……

以上ネタバレおしまい。

あとこの日のMCで、小山さんのホテルの部屋のエアコンから異音がするので部屋を変えてもらった先がスイートルームで…というくだりがあって、その辺で「小山さんさあ!!!」と嬉々としてあれこれ突っ込む加藤シゲアキさんの様子、正直強めのマウントにしか見えなくて、アッこれが…「こやしげ」ってコト………? と、シンメという概念の強さに触れた気がしました。非ジャニオタ、初めての気づき。


NEWSのライブには原則アンコールが無い、というようなことを事前に聞いたとき、へぇ~?とびっくりしたんだけど、本当にその通りだった。(ツアーファイナルとかはその限りではないんでしょうけど)

確かに、どんなライブにおいてもアンコールってまあまあ形骸化しがちというか、どうしてもアンコールありき、予定調和的になってしまうのは否めないとこあるし、いっそ無くてもいいんじゃないかなと思うこともあるけど、NEWSのライブの終演のときほど、アンコールなくていいなと良い意味で思ったのは初めてだったかもしれない。

ひとつの舞台の終幕を観てるような、長い映画のエンドロールを観てるような気持ちだった。彼らがやりたいこと、観客に見せたいものが本編中にぎゅっと凝縮して完結している、無駄のない美しさだった。私は物語が好きなオタクだけど、ちゃんと終わることのできる物語こそが美しいと思っているしそういう物語が好きだから、これには痺れたなあ。結論から言って私が一番聴きたがってた楽曲は今回やらなかったけれど、それでもものすごく満ち足りた気分になった。
すごかった、と言って隣の友達を仰いだらぼろぼろに泣いて放心状態になったのち、「私の世界にはNEWSかそれ以外かだけでいいんだって改めて思った…」とだけ言ってて、宗教………という気持ちになった。重い…
でもそうなってしまう気持ちも少しわかる気がする。あんなに楽しくてキラキラしていてザ・エンタメなのに、どこか退廃的なにおいというか死生観に思いを馳せてしまうようなところがあって…言語化が難しいんだけど…それが、自分で食べてみなきゃわからないし、いざ食べたら食べたで堪らなく癖になる毒の部分なんだろうなと思った。甘くて美味しいばっかりだと、何でもつまんないもんね。

NEWSは聞きしに勝る存在感のアイドルだったし、私の心を震わせた舞台「モダンボーイズ」の上演から約1年半、やっとで邂逅を果たしたアイドル加藤シゲアキさんは、アイドルにしては些か蠱惑的すぎる感のある、美しいひとでした。大満足。

 

 

1回くらいは観ておくか…の気持ちだったのに、いつしかもう1回くらい観たいな…になって、この感想文をばーーーーっと勢いだけで書く傍ら、さいたま公演のチケット1枚なんとかならんか…と探している途中で、急に40℃超えの熱をだしてそれはもうめちゃくちゃに寝込んでしまい、頓挫してしまいました。
幸いにもコロナじゃなくて扁桃炎だったんだけど、今時期コロナじゃなくてこんな熱だす奴いる?ってビビってしまったし、喉痛のせいで数日間まともに物が食べられなくて体力も低下してしまい本当に本当にキツかった。健康でないとオタクはできない。健康は何にも代え難い…。

今やっと戻りつつある健康に感謝しながら、「1と0と加藤シゲアキ」とりあえず予約しました。なんか体に良さそうなので………(作家生活10周年おめでとうございます!)

 

ひとつだけ不満があるんだけどジャニーズ楽曲何故whyダウンロード販売してない…………サブスクに入れてくれとは言わんからせめてデータで買えるようにしてくれたらいいのにな~~~~!!!これやってくれるだけでだいぶジャニオタ以外への間口も広がると思うんですけどどうですかジャニーズ事務所さん!